明日という名の奇蹟
~ 脳がうんにょりするネトゲBlog ~
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小岩井式「夏の珍客」
テルミヌスのとある昼下がり。
今日も今日とて、元気な声が町中に響き渡ります。
「さぁさぁ、今日も掘り出し物がたくさんだよーっ!!
上は奇跡の魔道書から下はダイコン・ネギまで
な~んでもそろっちゃうクリスティンの雑貨屋はこちらーっ!!」
「あらあらこの蒸し暑い中、今日もムダに元気ねぇ~」
元気が服着て歩いてるようなクリスティンとは対照的に
連日の猛暑にちょっとお疲れ気味の料理ギルド長:エルサが
クリスティンに声を掛けます。
「元気があれば何でもできる!やる気!元気!不明朗会計問題~!」
「もう理事長辞任したんだから忘れてあげなさいよ」
「どうしたの、エルサ。夏バテなら上級HP回復ポーションあるよ、
通常500テルのところ、友情割引で700テルでどぉ?」
「なんで上がってるのよ」
「やだなぁ、お約束お約束♪」
「やれやれ、アンタといると元気を吸い取られそうだわ」
そんないつものやりとりのなか、あやしい影が二人に近づきます。
そしてクリスティンの一瞬の隙をついて・・・!
「えっ!?」
影は疾風のごとく、店頭から下級HP回復ポーションを奪って逃げました。
「ド、ドロボウ!?」
「まてぇーっ!!こんにゃろーっ!!!」
言うが早いが、クリスティンは逃げる影を追って駆け出しました。
「ちょ、ちょっとぉ、待ちなさいよーっ」
エルサもつられて後を追いかけます。
「よりによってこのボクの店から物を盗むとは、いい度胸だっ!!」
「そうよねぇ、よりによってテルミヌス1守銭奴のアンタからねぇ~」
「しっつれいだなぁ~、ボクには夢があるから
それに向かってお金をためてるだけだいっ」
「1億テルためてココヤシ村を買うんだっけ?」
「どこの航海士の話だ、それ」
逃げる影はとうとう街を飛び出し、ナルプロンの森のほうへと進んでいきます。
二人もそれを追って森の中へと入っていきますが
とうとう見失ってしまいました。
「くぅ~、どこ行ったっ!?」
「そんなに遠くへは行ってないと思うけどね・・・ん?ちょっと、あそこ」
「・・・あ」
そこは「洞窟」と呼ぶのもおこがましい、ちいさな洞穴でした。
中を覗き込むと・・・
「モンスター!?」
「シッ!・・・どうやら犯人はあの子の様ね」
中には1匹のリトルビッグフットが、大事そうにポーションを抱えて
洞穴の奥へと進んでいきます。
二人は見つからないようにその後をつけました。
「・・・ホントに小さな洞穴ね。すぐ先で行き止まりじゃないかしら」
「よーし追い詰めたぞー、もう二度と悪さしないように
メドローアで反省させてあげるんだからっ!」
「消滅するから、ソレ。反省してる間とかないから」
やがて洞穴は行き止まりました。
そこには・・・
「あ・・・」
二人は黙ってその様子を見ていました。
洞穴の奥には親と思わしきビッグフットがいましたが、
ぐったりしていて、どうやら病気のようです。
リトルビッグフットは手に持ったポーションを
親に飲ませようとしています。
「それで、モンスターがポーションなんて必要としたのね」
「・・・」
「帰りましょう、クリス。ポーションの代金ならアタシが払ってあげるから」
しかしクリスティンは次の瞬間、物陰から飛び出し
2匹の前に立ちはだかりましたっ!
「ク、クリスっ!?」
「やいやいやい、ボクのポーション、返せ~っ!!」
「あ、あんたねぇ!」
親であるビッグフットは突然の侵入者から我が子を守ろうと
立ち上がり咆哮をあげますが、すぐにバランスを崩し、
その場に座り込んでしまいます。
リトルビッグフットはモンスターとはいえ、二人より身体も小さく
こちらと戦おうとはせずに身を縮めています。
そんな2匹の隙をつき、クリスティンは持ち前の素早さで
リトルビッグフットの手から下級HP回復ポーションを奪い返しました。
「これでよしっと」
「クリス・・・いくらなんでもかわいそうなんじゃない?」
エルサが非難めいた口調でそう言うと
クリスティンは心外と行った表情で言い返しました。
「何言ってるんだよ、ドロボウは犯罪だし、
第一こいつらはモンスターじゃないか!」
「だけど・・・」
「だけども何もないよ、ボクは当たり前のことをしただけっ」
クリスティンは2匹のほうへ向き直ります。
「・・・て、いうかさ、ちょっとヤバイよね。
こいつら、本来この辺にいないはずのモンスターだよ。
元気になって暴れだしでもしたら、相当な被害が出る」
「ア、アンタまさか・・・!」
クリスティンは戦闘体制をとります。
「クリスっ!!」
「ボクは短剣の取り扱いと投擲技術だけは
そこいらの冒険者にもひけはとらないつもりだよっ」
「やめなさいっ!その子の親は病気なのよっ!!」
「うるさいな!エルサは黙ってみててよっ!!」
左手に短剣を構え敵を牽制しつつ、クリスティンは
右手でポーチから取り出したモノをリトルビッグフットに投げつけました。
「これでもくらえ~っ!」
「クリスっ!」
リトルビッグフットは投げられたモノを反射的にその手で受け止めました。
「あれは・・・!」
それは上級HP回復ポーションでした。
「いっけない、 投げるアイテムケチって
消費期限切れのポーション投げちゃった」
「クリス、アンタ・・・」
「エルサ、帰ろ。どーせあいつらは
期限切れポーションにアタっておだぶつだからさ」
クリスティンはそう言うと踵を返して歩き出しました。
エルサもあわてて後を追います。
「まったく・・・クスリってのは体の大きさに合わせて使わないと
効果がないんだぞ。これだからケモノは・・・」
「ん?何か言った?クリス」
「な~んでもないよっ」
「・・・」
「あによ」
「アタシ、アンタのそういうトコ、キライじゃないわよ♪」
エルサはそう言うと、クリスティンのおでこをチョン、とつついて見せました。
「な、なんだよぅ!」
「あははは、てれないてれない」
「照れてなんかないよっ!ボクはモンスターに毒を・・・」
「はいはい、じゃあ街に戻ったらアタシがアンタに
その毒とやらをた~んまり盛った、熱々のスープでも作ってあげるわ」
「な、なんかハラたつなぁ、この耳長ー!」
「アンタもでしょ」
「ムダな肌露出ー!」
「アンタもでしょ」
「ハラボテー!」
「それは言うな」
・・・今日もテルミヌスは平和なのでありました。
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プロフィール
過ごした女の子。
髪は赤毛でそばかすだらけ、
感受性が豊かで、おしゃべり。
悲しいことも得意の想像力で
喜びにかえていく。
死神リュークが地上に落とした
デスノートを拾ったことを契機に
新世界の神になる事を決意する。
現在、FF14にて世界征服中。
コメントを書く
無題
エリスちゃんいい子だね~!
Re:無題
本当のボクっこはエルフなのに
ナイト系の先生をしてらっしゃるジュークさん(名前違うかも)でした。
ええ、気にしませんけどもw
無題
Re:無題
無題
テンソンあがりましたw
相変わらず素晴らしいセンスです(`・ω・´)
Re:無題
お久しぶりですっ
「ファンサイトから」ということは
秒速さんもやってるんですか?アイリス。
無題
一応住み着こうかと思ってますw
他にも色々ブログの事とか勉強しつつやってるから
毎日はインしてませんが見かけた際には
後ろ指でもさしといてくd・・・ゲフン
Re:無題
まぁ、あんましログインしてないですけど、今。