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明日という名の奇蹟

 ~ 脳がうんにょりするネトゲBlog ~

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小岩井式「キッチンエルサの午後」

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あーあ、今日は全然お客さん来ないわね。
みんな夏休みで実家とか帰っちゃってるのかしら。

ある暑い夏の午後、私は朝からすっと人の来ないお店で途方に暮れていた。
普段はギルドの運営もあるので、そうそうお店に出ているわけではないのだけれど
何も私が厨房に入ってる日に限って閑古鳥が鳴かなくてもねぇ。

ギルド一本に絞って、お店の方はたたんじゃおうかなぁ。

そんなことを考えていると、店に入り口に人の気配を感じた。
「いらっしゃいませーっ」
そこにいたのは中年女性と二人の子どもだった。
「あの・・・すみません、私たちにサンドウイッチを・・・」
「はいはい、ハムサンドに野菜サンド、タマゴにツナ、ローストチキンにカツサンド、
 ホイップクリームでドライフルーツを挟んだスィーツ系もございますよー」
私の立て板に水トークに気圧されるように、女性は小さく言った。
「あの・・・実は・・・お金がなくて・・・」
「は?」
一瞬、女性が何を言ったのか分からなかった。
「パンの耳でも野菜の切れはしでもかまいません。どうかこの子たちに食べ物を・・・」
唐突な話に私は絶句した。
「だ、だめですよね、申し訳ありません。すみません、お邪魔いたしました」
恥ずかしそうに踵を返す親子。やれやれ、しかたがない。
「どうぞ、こちらへ座ってくださいな」
「よろしいんですか?」
「ええ、困った時はお互い様ですから」
私はタマゴサンドを三人分出した。
「おかあさん、これなあに?」
「これはね、サンドウイッチという食べ物よ」
「・・・うわぁ、おいしいー」
「うまーい」
「あ、おにいちゃん、サチコのぶんとらないでよー」
「うっせー、早く食わないのがわるいんだいっ」
「ほらほら、喧嘩しないの。お母さんの分あげるから」
「お母さんは食べないの?」
「お母さんは卵アレルギーLv50だから」
「カンストなんだね」
「カンストなのよ」
「すっごーい・・・って、おにーちゃんまたーっ!」


 


やれやれ、あんなの見せられたらお金なんて取れるわけないじゃない。
何度もこちらに頭を下げて親子が帰って行った後、
テーブルを片づけていると・・・
「あの・・・」
「いらっしゃいませー、ハムサンドに野菜サンド、タマゴにツナ・・・」
「どうか、この子たちにハムサンドを・・・」
「・・・座ってくださいな」
私はハムサンドを3人前出した。
「すっげー、ハムが挟まってるよ、母ちゃん!ウチのはいつもマーガリンなのに」
「いいから早く食べなさい」
「母ちゃん、くわないのか?」
「母ちゃんはイスラム教徒だから豚は食べちゃいけないんだよ」
「そっかー・・・おお、すげえ、ハムだけじゃなくてハムとパンの間に」
「マーガリン」
「うん、マーガリン」




なんだろうな、今日は。へんな家族ばっかりくるぞ。
ドアが開く音。
「いらっしゃー」
「ワシはどうでもいいんじゃ。でものぅ、孫たちにどうかツナサンドを分けてはくださらんか」
「・・・座ってください」
ツナサンドを3皿。
「じいちゃん、これうめーぞー」
「そうかそうか、よく噛んで食うのじゃぞ」
「これ食ったら強くなれるか?」
「おうおう、あの大岩を動かせるほど強くなるぞい」
「じいちゃん食わねえのか?オラもらっていいか?」
「くえくえ。ワシはシーシェパード所属だからマグロは食わんのじゃ」
「あれってクジラじゃねえのか」




もう、大赤字もいいとこだわ。
タマゴサンドにハムサンドにツナサンド、全部3人前でしめて1017テル。
なんだかおかしな日ねぇ。

どずんっ。

何かが倒れる音。ちょうどお店の前からだ。
飛び出してみると、そこには生き倒れになった旅人風の男が一人。
「しっかりしてください、だいじょうぶですか?」
「情けないことに・・・持ち物の『重さ』がほんの少しだけ限界を超えてまして・・・」
「はぁ」
「そうだ、捨てるのももったいないからこれをもらってください」
そういって男はツヴァイハンドを私の手に握らせた。
「ちょ・・・お、重っ!?」
「よかった、これで『重さ』がちょうど100%になりました。これで歩ける。
 ではごきげんようー」

「ちょ、ちょっとぉ!!」
言うが早いが、男は行き倒れたのがウソのような速さで去って行った。



こんな大剣、おいといても邪魔なのでクリスの店に売りに行くとしよう。

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「いらさーい」

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「こんにちは」

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「どうしたの、疲れた顔してー。そんなにお客さん来たのー?」

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「ゼンゼンよ、今日の売上なんて目も当てられないわ・・・
それより、これを買い取ってくれない?」

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「あいあーい・・・何の変哲もないツヴァイハンドだね。悪いけどこれじゃあ
 いいとこ1017テルかなー」

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「・・・」

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「ん?どうしたの?」

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「今日の売上はミックスサンド9皿分、か」

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「は?」
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無題

ミックスサンド9皿1017テルやっすいねぇ~
売ってちょうだい!(ぉ
  • ココちゃん さん |
  • 2010/07/21 (18:13) |
  • Edit |
  • 返信

Re:無題

ゲーム内の通貨って
感覚的にどのくらいの価値なんでしょうかねぇ・・・
少なくとも1テルってさすがに1円よりは高い気はしますけどw
  • from 小岩井よーぐる |
  • 2010/07/23 (10:03)

無題

いってこいでチャラってことですね^^

Re:無題

とりあえず、提供した分のお題はいただけたのではないかとw
  • from 小岩井よーぐる |
  • 2010/07/23 (10:04)
  

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プロフィール

HN:
小岩井よーぐる
職業:
会社員/主婦
自己紹介:
愛に飢えた寂しい子ども時代を
過ごした女の子。
髪は赤毛でそばかすだらけ、
感受性が豊かで、おしゃべり。
悲しいことも得意の想像力で
喜びにかえていく。
死神リュークが地上に落とした
デスノートを拾ったことを契機に
新世界の神になる事を決意する。
現在、FF14にて世界征服中。

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